大学の産学連携組織で大学発ベンチャーの支援を行いながら2008年3月に無事QBS(九大ビジネススクール)を修了しました。そして、2010年4月からは、産学連携的な会社の代表取締役社長に就任。2014年6月に任期満了により退任し顧問として活動しています。大学まわりの情報や産学連携に関する情報を独自の視点で発信していきたいと考えています。

スポンサーサイト

上記の広告は2週間以上更新のないブログに表示されています。 新しい記事を書くことで広告が消せます。  

Posted by スポンサー広告 at

2010年06月22日

パブリックコメント(未公開株編)

昨日からtwitterで話題になっている「新規公開前に行われる不適切な自己募集を規制するための「有価証券の引受け等に関する規則」等の一部改正について

簡単に言うと、「IPO(上場)等を目指すベンチャー企業など(未上場会社)が上場前に個人投資家を対象に勧誘行為(個人に出資を依頼する)を行 っていた場合には上場できないことを明らかにする。」ということです。。。

ふーん、いいじゃんと思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、ベンチャー企業経営者や産学連携関係者にとっては一大事です。

産学連携関係でいうと、我々が支援している大学発ベンチャーにとってインセンティブが全く働かないことになります。

一般的に、新たなテクノロジー・サービスを持って起業する、いわゆるベンチャー企業を創業する場合、日本の金融マーケットにおいて、創業時点・直後(アーリーステージ)にVC(ベンチャーキャピタル)から出資を得ることは非常に困難です。そのため、3F(Family Friend Foolish)を中心とした個人、いわゆるエンジェルからお金を集めることになります。その後、事業が進んでいけば、VCが投資を行う(かも)といった流れになります。

この規則改正は、そのような資本政策行為を行った企業は、上場できない(制限される)とするということです。。。

日本の場合、米国と異なり、税制の問題もあり「富」の再生産が行われにくいため、エンジェル自体が少ない上、それ自体を制限するということは、リスクを背負い、人生をかけてイノベーションの起爆剤・エンジンとして期待されるベンチャーを起業するアントレプレナーにとって死活問題になります。

私の師匠(勝手に呼ばせていただいています)であるインフォテリア(マザーズ上場)の平野さんも、twitterでコメントされています。

この改正案の裏には、未公開株詐欺による被害拡大があるのは理解しています。しかし、この改正は納得できません。

以前、メカ設計をやっていた時にこんなことがよくありました。

一度設計したものをよくよく考えると、どこかに不具合があり、設計を変更してみる、、、それを数度繰り返して「ようやくうまくいった!」と喜んでみると、本来求められる機能を失っていた・・・いわゆる本末転倒状態

この改正は、まさに同じようなことをやっているとしか思えません。。。

みなさん、是非パブリックコメントを!7月1日までです。私もコメントします。  


Posted by 坂本 剛 at 07:40Comments(0)大学発ベンチャー支援