大学の産学連携組織で大学発ベンチャーの支援を行いながら2008年3月に無事QBS(九大ビジネススクール)を修了しました。そして、2010年4月からは、産学連携的な会社の代表取締役社長に就任。2014年6月に任期満了により退任し顧問として活動しています。大学まわりの情報や産学連携に関する情報を独自の視点で発信していきたいと考えています。

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2010年11月13日

そこが知りたい「産学官連携」の最新事情

先日ブログで告知していた第6回中小企業産学官連携推進フォーラム「そこが知りたい『産学官連携』の最新事情」が、11月10日に東京ビッグサイトで開催されました。


「産」「学」「官」からパネラーが集まりディスカッションを行うといった形式です。私は、技術移転機関関係なのですが、3までもポジション(九大知財本部)つながりの話でしたので、「学」の立場での参加です。

パネラーは、

神奈川科学技術アカデミー(KAST) 理事長
馬来 義弘 氏

(株)産学連携機構九州 代表取締役社長
坂本 剛 氏

タカノ(株) 相談役
堀井 朝運 氏

(独)国立高等専門学校機構
富山高等専門学校 専攻科 准教授
袋布 昌幹 氏

そして、当日午前中に表彰式が開催された第5回モノづくり連携大賞「大賞」受賞者である
㈱日本ステントテクノロジー 代表取締役社長
山下 修蔵 氏

コーディネーターは、

(独)中小企業基盤整備機構 新事業支援部
統括インキュベーションマネージャー
加藤 英司

といったメンバーでした。自己紹介の後、まずは「産」の立場からのプレゼンテーション

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<日本ステントテクノロジー山下さんのプレゼンについて>

ハイテクの開発には、ローテク(ものづくり、マネジメント)基盤技術が重要

新規事業の開発は「見極め力」と「経営者の本気」から

岡山での医療機器関係の産業集積が非常によかった

山下さんは、60歳過ぎてからの大学発ベンチャー起業(これはすごい!:元化学系メーカー)

<タカノ堀井さんのプレゼンについて>

某メーカーの100%下請け企業

先代社長から10年社長をやってほしいと言われた

社長就任後、6年で一部上場

新規事業⇒大学を頼るしかなかった

中小企業⇒単なる技術移転だけではうまくいかない

新規事業、産学連携のポイントは「人材育成」

誘発型新規事業開発

新規事業開発のコンセプトは、顧客ニーズを良く調査し、事業(商品)を、顧客のために具体的な形にするための戦略的な思考である

新規事業に必要なファンクション⇒「事業開発」「技術開発」「知財開発」

続いて「学」の立場からのプレゼンテーション

<富山高専袋布(タフ)さんのプレゼンについて>

開発は「学」の主導だった~高専には、マジメに・ノビノビやれる土壌がある

高専の役割:地域産業に貢献すること(法律で条文化されているとのこと)

「産学官連携」は技術ではなく、プレゼンスで売る

「出来上がった技術」は、もう、買ってくれない

私のプレゼンは、割愛させていただきます(笑)。

最後に「官」の立場で、

<KAST馬来さんのプレゼンについて>

神奈川県R&Dネットワーク構想

かながわ産学公連携推進協議会

公的支援機関を有効活用すると投資効率(研究開発費)が高い!

中小機構の積極的活用のすすめ~中小機構「太鼓論」:大きく叩けば大きく響く

支援企業はお客様(「支援してあげる」のではなく「支援させていただく」)

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私自身、普段お会いしない方々からの体験談・事例等を聴くことができ、非常に勉強になりました。

中でも、タカノの堀井さんのお話は、中小企業の「下請けスパイラル」を経験したことがある私にとって、非常に感銘を受ける話でした。

某企業の100%下請け会社の経営を任され、わずか6年で上場。そのドライビングフォースが「産学連携」を活用した新規事業開発だったのです。

その成功の鍵となったのが「人材育成」。新たなプロジェクトには、必ず社員を参加させたそうです。

その結果、今では社員の中から博士号を取得した方も現れています。

私自身、福岡の中小企業で働いている際に、下請けから脱却できないかと新商品を開発したり、新たな生産体制の構築したりといろんなことにチャレンジし、結果たどりついたのが「大学」。

私は、大学と近づいているうちに、ミイラ取りがミイラになってしまったのですが、堀井さんは、日本の中小企業がチャレンジしながら、中々実現できない「下請けからの脱却」「上場」という夢を実現されていらっしゃるのです。

しかも、60歳を過ぎて、早稲田大学ビジネススクールに入学されMBAを取得。さらに修士論文を先生と共著で「実践中小企業の新規事業開発―町工場から上場企業への飛躍」という本にまとめられていらっしゃいます。



いやはや脱帽するしかありませんね(笑)。非常に機知に富んだパネルディスカッションでした。

そして、夜に向かったのは築地。そこでサプライズが待っていたのでした・・・








  


Posted by 坂本 剛 at 11:51Comments(1)産学連携