大学の産学連携組織で大学発ベンチャーの支援を行いながら2008年3月に無事QBS(九大ビジネススクール)を修了しました。そして、2010年4月からは、産学連携的な会社の代表取締役社長に就任。2014年6月に任期満了により退任し顧問として活動しています。大学まわりの情報や産学連携に関する情報を独自の視点で発信していきたいと考えています。

スポンサーサイト

上記の広告は2週間以上更新のないブログに表示されています。 新しい記事を書くことで広告が消せます。  

Posted by スポンサー広告 at

2011年01月05日

日本のモノづくりが沖縄の観光を支える(美ら海水族館編)

正月休みに行った沖縄。悪天候に見舞われた旅行の中、一番の観光スポットは「沖縄美ら海水族館」でした。


いろんな雑誌でも真っ先に取り上げられている人気の観光スポットです。


目玉である「黒潮の海」展示水槽では、ジンベイザメをバックにパチリ。それ以外にもいろいろ写真を撮りましたが、今回の話のメインは「中身」ではなく「容器・水槽」の話です。


「黒潮の海」水槽付近で見つけたのが、水槽の材料であるアクリル板の展示です。厚さはなんと603ミリもあります。

普通に水槽をみていると、奥行きはあまりないように感じますが、


上から見ると、実はかなり奥行きがあるんですよね(美ら海水族館は、水槽を上から見学することができます)。これだけの水量によって水槽にかかる水圧は相当なものです。その水圧に耐えるために、相当な厚さ(603ミリ)が必要なのだと納得しました。水槽の厚さは、かなりあるとは思っていましたが、まさか60センチもあるとは想像していませんでしたけどね(笑)。

ある程度工学的な知識がある方であれば、このくらいぶ厚いアクリル板を一層で作るのは至難の業、というか無理だと理解できると思います。となると、薄いアクリル板を重ねていくことが考えられますが、水槽の元々の目的が、お客様に水槽の「中身(お魚さん)」を観ていただくことなので、単純に重ねるだけで透過性を維持することは難しいことです。それを可能にしたのが、日本の中小企業の技術力なのです。

この水槽に利用されている巨大アクリル板を製作したのが「日プラ㈱」という四国の中小企業です。以前、アクリルの透過性を維持しながら貼り合わせ、ぶ厚いアクリル板を作ることができる技術を持っているということで、テレビに取り上げられていたことを思い出しました。


真正面からは分かりませんが、断面(側面)から観ると、アクリルを貼り合わせているのが、若干ですがわかります(年輪みたいなスジが見えると思います)。

この会社は、「第1回ものづくり日本大賞」で内閣総理大臣賞を受賞されています。

記事をみても、このように、アクリルの透過性を維持しながら、アクリルを貼り合わせる技術を持っている会社は他に類をみないようです。しかも曲面加工もできるようです。つまり、この会社は、水族館の水槽よろしく「ブルーオーシャン戦略」をとることができるのです(笑)。

私たちが小さいころの水族館に比べ、今の水族館は非常に人気があるように感じますが、その理由の一つが、水槽の巨大化、形状のフレキシブル化による「中身(海水生物など)」の視認性の向上ではないでしょうか。巨大なジンベイザメは迫力がありましたね。。。

それを支えているのが、日本の中小企業による「ものづくり力」なのです。


あかりも、そのあたりのことについて少しは理解してくれたようです。日本のものづくり技術の奥深さを家族で実感した沖縄旅行でした。  


Posted by 坂本 剛 at 08:22Comments(0)今日の出来事