大学の産学連携組織で大学発ベンチャーの支援を行いながら2008年3月に無事QBS(九大ビジネススクール)を修了しました。そして、2010年4月からは、産学連携的な会社の代表取締役社長に就任。2014年6月に任期満了により退任し顧問として活動しています。大学まわりの情報や産学連携に関する情報を独自の視点で発信していきたいと考えています。

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2013年10月25日

偽装か誤表示か、本質って何?

今朝のニュースでは、某ホテルチェーンの「偽装?誤表示」問題が画面を賑わしていましたね。

というか、オープン情報なのでそのまま記載しますが、阪急阪神ホテルズが、ホテルのレストランなどでメニュー表示と異なる食材を使用していた問題について、社長が記者会見をし、「信頼を裏切ったお客様に心よりおわび申し上げます」と謝罪した一方で、原因は「従業員の認識・知識不足にある」ということで、これは「偽装でなく誤表示」と強調されていました。

ニュースによると記者会見は約3時間にも及んだそうです。私もこのニュースを観ていて、ああいえば上祐的な社長の対応はどうなんだろうなと感じました。何か本質を間違っているのではないかと。

様々な食材についてメニューの表示と異なった食材が仕様されていたようですが、それは恣意的に偽装したわけではなく、例えば食材の仕入れ段階において仕様が変更になり、その変更がメニューの表示まで至らなかった情報共有の不足、従業員の方の認識不足が原因であり、偽装ではなく誤表示にあたるというのが会社側の主張でした。

なぜ、そこまで「偽装」ではなく「誤表示」にこだわられるのかが、私はよくわかりませんでした。

なぜならば、誤表示だとするならば、それはそれで会社の信用を落とすことになるからです。

例えば、レッドキャビアという表示に対して、とびこ(トビウオのタマゴを塩漬けしたもの)を使用していたという事例があったそうです。

とびこは、回転寿司の軍艦のネタによく使われる比較的安価な食材です。しかし、食のプロであれば、外見・味、仕入れ値ともにレッドキャビアと明らかにその違いは分かるはずです(私でもわかります)。それが分からずにシェフがこれらを使用していたとは考えにくいのではないでしょうか?

もし、そうであれば、明らかに偽装になると思います。しかし、会社はそうではなく情報共有不足や、従業員の認識不足に起因する誤表示だとおっしゃる。

そうであれば「そんなレベルの低いシェフ・スタッフ」が調理やレストランの経営に携わっていたということになります。そんな「とんでもないレストラン」に高いお金を払って行きたいと思う消費者がいるでしょうか?少なくとも、私はそんなレストランに行きたいと思いません。

しかしながらこの会社の経営者は、会見で偽装は認めなくても、「私のレストランは、レベルの低いシェフ・スタッフが運営しています」という事実を認めているのです。

会社側は、この会見で「偽装ではない」ということを論理立てて説明しようとしたあまり、本質を見失ってしまったのではないでしょうか。

いやはや、私もこのようなわけのわからない会見を観て、他山の石としなければと思った次第です。
  
タグ :偽装誤表示


Posted by 坂本 剛 at 11:16Comments(0)今日の出来事