大学の産学連携組織で大学発ベンチャーの支援を行いながら2008年3月に無事QBS(九大ビジネススクール)を修了しました。そして、2010年4月からは、産学連携的な会社の代表取締役社長に就任。2014年6月に任期満了により退任し顧問として活動しています。大学まわりの情報や産学連携に関する情報を独自の視点で発信していきたいと考えています。

2013年11月11日

九州は「一つ」か「一つずつ」か?

先週末の11月9日(土)は、大学改革シンポジウム「社会の課題解決と大学教育・研究の融合」と合わせて、今年度もチューターを務めた九州大学地域政策デザイナー養成講座の政策提言発表会が開催されました。

「人口減少下の新たな成長のかたち」~ 現下の国際情勢と九州のビジネス戦略 ~ 

という大テーマのもと、

① 九州発・新国富論
② 地域の国際ビジネス戦略
③ 新たな官民連携

といった具体的なテーマについて、学生・社会人がチームを編成し、約半年にわたる講座・ワークショップおよび自主的な勉強会を経て提言をまとめました。



発表会の詳細はここでは述べませんが、この講座に参加した全ての方に、お疲れさまでした、と言いたいですね。特に社会人の方は、仕事を抱えながらプライベートの時間の多くを提言とりまとめのために費やされたのではないでしょうか。その努力に敬意を表したいと思います。

一方、このような提言にあたり、いつも強調されるのが「九州は一つ」ということです。

道州制の話題になると、真っ先にその実施候補地に挙がるのが「九州」です。では、本当に九州は一つなのでしょうか?

今回の提言の中に、九州が一体となり農産物の移出を支援する地域商社の創出といったプランがありました。プレゼン後の質疑応答では、今迄にも様々な提言が行われてきたにも関わらず、各県同士の思惑の相違によりなかなか連携がうまくいっていないとのコメントがありました。

イチゴを例にとると、福岡県には「あまおう」という有名なブランドイチゴがあります。一方、佐賀県は「さがほのか」といったブランドイチゴを開発し、県内の生産者の育成に力を入れています。それらを「統一ブランド」にして海外に移出するのはなかなか難しいものがあるということは容易に推測できます。

それに対し、香港など海外のマーケットからは、九州の農産物を売り込みたいのならば「窓口の一本化」「九州一体となったブランド」の提案をしてほしいという要望が挙がっているようです。相手は、ビジネスにおいて九州を「一つ」にしてほしいと思っているのです。

また、九州は一つといいながら、各地域・県ごとに言葉や文化はそれぞれで「一つずつ」です。

九州だとお酒は焼酎というイメージがあるかもしれませんが、北部九州は日本酒文化で南部九州(鹿児島、宮崎)は焼酎。特に久留米市城島は、日本酒の三大酒蔵と言われています。

ラーメンも博多(長浜)、久留米、熊本、鹿児島と同じとんこつでも全く別ものです。タテの話ばかりしていますが、ヨコの大分、長崎、佐賀も、それぞれ素晴らしい農産物、食材、文化があります。

私は福岡市に住んでいますが、鹿児島や宮崎には、今まで数回した行ったことがありません。むしろ、東京や大阪のほうが知人も多いし、親近感がわきます。熊本とはなぜだか友人・知人の繋がりが深いのですが、歴史的にみると、熊本と福岡は「九大」の誘致合戦などのこともあり、あくまでも個人的な意見ですが、自治体同士であまりいい関係にあるとは感じません。

といった具合に、九州に住んでいると、九州が一つといった感覚はほどんどないのが現実なのです。しかしながら、人口減少が始まっている日本において、地域の発展・成長を考えるのであれば「九州を一体化」していくことも非常に重要なポイントといえます。

九州は「一つ」なのか「一つずつ」なのか、本当に深い話です。


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この記事へのコメント
私は、『アジアはひとつ』(玄洋社 頭山 満翁)、『九州はひとつ』を支持します。各県単位で世界に日本ブランド、九州ブランドを売り込むより、アメリカのバナナのチキータやデルモンテのように、商流を考えても統一したほうがよいと考えます。
例えば、台湾がリンゴを欲しがります。赤いリンゴが好まれますから、リンゴといえば、青森と台湾の人々には有名です。しかし、志賀島にある志賀海神社の宮司を代々なさっている由緒ある安曇家から長野に嫁いだことから、長野県に安曇の里というところがあり、そこのリンゴも有名ですが、青森より知名度、価格も台湾では落ちます。しかし、デルモンテのように、統一ブランドなら、季節の移り変わりに合わせて、長野県から青森まで、ある一定期間、リンゴを商流に乗せることができるので、農協が各県単位で輸出のための補助金を出してもらう必要はないですし、例えば、福岡市中央卸売市場の仲卸会社の福岡大同青果などが間に入れば、卸売市場なら、全国から物が引けますし、台湾側から、リンゴ、長芋を輸入する代わりに、マンゴーを日本側は輸入してくれと要求されても、対応できると思うのです。
坂本先生、私の考えはいかがでしょうか?
Posted by 岳康宏 at 2013年11月11日 12:27
私は、『アジアはひとつ』(玄洋社 頭山 満翁)、『九州はひとつ』を支持します。各県単位で世界に日本ブランド、九州ブランドを売り込むより、アメリカのバナナのチキータやデルモンテのように、商流を考えても統一したほうがよいと考えます。
例えば、台湾がリンゴを欲しがります。赤いリンゴが好まれますから、リンゴといえば、青森と台湾の人々には有名です。しかし、志賀島にある志賀海神社の宮司を代々なさっている由緒ある安曇家から長野に嫁いだことから、長野県に安曇の里というところがあり、そこのリンゴも有名ですが、青森より知名度、価格も台湾では落ちます。しかし、デルモンテのように、統一ブランドなら、季節の移り変わりに合わせて、長野県から青森まで、ある一定期間、リンゴを商流に乗せることができるので、農協が各県単位で輸出のための補助金を出してもらう必要はないですし、例えば、福岡市中央卸売市場の仲卸会社の福岡大同青果などが間に入れば、卸売市場なら、全国から物が引けますし、台湾側から、リンゴ、長芋を輸入する代わりに、マンゴーを日本側は輸入してくれと要求されても、対応できると思うのです。
坂本先生、私の考えはいかがでしょうか?
Posted by 岳康宏 at 2013年11月11日 12:27
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