大学の産学連携組織で大学発ベンチャーの支援を行いながら2008年3月に無事QBS(九大ビジネススクール)を修了しました。そして、2010年4月からは、産学連携的な会社の代表取締役社長に就任。2014年6月に任期満了により退任し顧問として活動しています。大学まわりの情報や産学連携に関する情報を独自の視点で発信していきたいと考えています。

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2013年08月31日

モノづくり、品質とコスト

今朝お風呂に入ろうとしているところに、妻が写真のような状態のペットボトルを持ってきました。


「これ見てよ」と。私は、単純に飲みかけのミネラルウォーターかな?と思ったのですが、違いました。実は、新品のペットボトルだったのです。

我が家は、ネットでミネラルウォーターを箱買いしています。妻がミネラルウォーターを冷蔵庫で冷やそうと段ボールからペットボトルを取り出そうとしたらこの「つぶれたペットボトル」がでてきたそうです。

最初は、私が飲みかけのペットボトルを新品が入っている段ボールに投げ込んだのかな?と思ったそうですが、キャップが未開封の状態に気付き私のところに持ってきたのでした。

ここで考えられるのは、このミネラルウォーターは「不良品」だということです(品質には問題ないと思いますが)。

我が家は、クリスタルガイザー500mlの48本セットを購入しています。楽天だとだいたい1680円。一本あたり35円です。キャップが白色なので基本的に並行輸入品だと思います。日本で販売されているクリスタルガイザーは、キャップが青色でスクリューの巻き数が多いのが、並行輸入品との違いです。
これからは、私の推測です。

両方ともボトルへの水の封入はカルフォルニアのMount Shastaの近くで行われているようですが、日本向けの商品(青キャップ)は大塚食品が関わっているようなので、品質管理・基準も日本仕様だと推察されます。一方、平行輸入品(白キャップ)は、アメリカ国内、その他一般向け商品で品質管理・基準も「グローバル仕様」ではないかと思います。

このペットボトルは、生産ライン上で、本来は中身のミネラルウォーターが500ml封入されなければいけなかったのが、量が500mlに満たない状態でキャップが封止され、検査を通過し出荷され、その後、空輸で日本に送られる際に、気圧の影響でペットボトル自体がペコっとヘコんでしまったのではないかと考えられます。私自身、このような状態の「新品ミネラルウォーター」を目にしたのは今回が初めてです。

ここからが本題です。多分このような不良は、いくら日本基準よりゆるいとはいえ、ppmレベルか10ppmレベルではないでしょうか?
一方コストは、並行輸入品(白キャップ)は35円、正規輸入品(青キャップ)は110円。並行輸入品は、正規品の約1/3です。
48本中今回のような不良品が1本入っていても、(48-1)x35=1645円。不良品が入っていない正規品を48本購入しようとすると、48x110=5280円。

水自体が問題があれば別ですが、量の不具合という前提で言わせていただくと、このあたりの「品質、コスト」の考え方に「日本のモノづくり」の問題・課題の一面があるのではないかと思いながら東京へいく準備をしている荒れた天気の博多からでした。  


Posted by 坂本 剛 at 11:54Comments(0)今日の出来事

2013年08月26日

日本のインスタントラーメン(香港編)

今年のお盆休みは、すこし時期をずらして香港に行ってきました。たまの家族サービスですね。

私は、海外に行くとスーパーやコンビニに入り、どんな食材が販売されているか、とくにアジアでは日本の食材が販売されているかをチェックします。

今回感じたのは、インスタントラーメンの場合


日本メーカーの商材がかなりのシェアを占めており、販売されていたことです。これは、日清食品の「出前一丁」。ただ日本国内の商品が販売されているのではなく、香港用にローカライズされた商品が販売されていました。これは、豚骨味に黒ゴマ油が追加されたバージョン。


これは、海鮮ラー油味?といったところでしょうか。

一方、韓国ではほとんどが韓国のメーカーのピリ辛ラーメン系が多く、シンガポールも韓国やその他アジアの麺がメインに販売されていました。

韓国やシンガポール等に比べ、日本(特に日清食品)製のカップラーメンが香港では目につきましたね。


さらに福岡的に嬉しかったのは、


マルタイの「棒ラーメン」が売られていたことです。福岡出身のアラフォーより上の世代は、間違いなくこの「棒ラーメン」にお世話になっているはずです。現在西部ガスの傘下に入っていますが、この「棒ラーメン」がアジアで広まることを期待しています。

とにもかくにも、日本のインスタントラーメンの活躍を香港で発見し、嬉しかったです。
  


Posted by 坂本 剛 at 12:41Comments(0)今日の出来事

2013年08月21日

森伊蔵と明るい農村(SAM会編)

昨日は、8月のSAM会を開催しました。通常は第2火曜日に開催しているのですが、お盆を挟んだこともあり、8月は第3火曜日の20日に開催した次第です。そのネットワークに、綾水の「水」のほうの水口さんが、


「森伊蔵」を差し入れに持ってきてくれました。

「森伊蔵」といえば、ブランド焼酎。プレミアがついていて、ネットでも2〜3万円で取引されています。

私自身体調があまりよくなかったのですが、思わず頂いてしまいました(笑)。この「森伊蔵」で思い出すのが、先日紫綬褒章記念の祝賀会が開催された九大都甲教授です。

以前もブログに書きましたが、私は「明るい農村」とういう焼酎が好きで、太郎源の本店でもよく「明るい農村」をキープしていました。
都甲教授が開発した味覚センサーで分析すると「森伊蔵」とその「明るい農村」データ的にかなり似ている、つまりほぼ同じ味覚だということです。

昨日「本物?」(どちらとも素晴らしい焼酎には変わりありません)の「森伊蔵」を飲んでみると確かに明るい農村の味・まろやかさが似ているなと感じた次第です。

お酒は嗜好品なので、味覚のデータだけでなく、ブランディング、イメージなどトータルで商品の価値が決まりますので、一概に味が「明るい農村」=「森伊蔵」とはなりませんが、ある客観的指標においてほぼ同じデータを示すということは事実のようです。



繰り返しになりますが、どちらとも個性的で美味しい焼酎に変わりがありません。

と、いろんなことを考えているうちに、森伊蔵はあっという間に無くなってしまいました(笑)。水口さん、来月もう一本よろしくお願いいたします!
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Posted by 坂本 剛 at 12:41Comments(0)産学連携

2013年08月15日

QREC国際ワークショップ

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この度、九州大学ロバート・ファン/アントレプレナーシップ・センター(QREC)では、3日間のアントレプレナーシップ教育に関する国際ワークショップを開催します。イノベーション人材を生み若者の夢を実現するために、これからのアントレプレナーシップ教育について、教育手法や教材、育成すべきアントレプレナー像などを、各国の教育者関係者が経験を持ち寄りディスカッションして、今後目指すべき方向につき理解を深めることを目的としています。
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ということで、九州大学の起業家教育機関「QREC」主催で、9月の上旬にアントレプレナーシップ教育に関する国際ワークショップが開催されます。詳細はこちら

QRECとは、九大の大先輩であるロバート・ファンさんの寄付金をキッカケに設立されたアントレプレナーシップに関する総合的教育・研究センターです。センター長は、以前一緒に仕事をしていた谷川さん(教授)が務めています。

基本的には、アントレプレナーシップ教育に携わっている研究者・教育者が対象のようですが、アントレプレナーシップ教育にご関心のある方も多少枠があるようです。

私自身も興味があるのですが、なんだかんだとドタバタしていて時間が取れるかどうかは現時点ではわかりません。しかしながら、講演者や参加予定の方の顔・経歴を拝見すると、日本・アジアのアントレプレナーシップ教育分野において、アクティビティが高い方が多数参加されるようなので、非常に有益なものになるのではないかと思います。

ご興味がある方は、事務局にアクセスしてみてはいかがでしょうか?ちなみに、ワークショップの性格上有料です。
  


Posted by 坂本 剛 at 13:52Comments(0)九州大学

2013年08月12日

2013アジアデジタルアート大賞展FUKUOKA

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アジアデジタルアート大賞展は今年で13 回を迎え,福岡から世界に向けた,メディアテクノロジーの高度な表現の場として、世界でも有数のメディア芸術のコンペティションに成長しました。この展覧会のコンセプトは、先端的なメディアテクノロジーの進展を背景に、豊かな芸術的表現をアジアの心を持って表出しようというものです。論理的な思考に基づく芸術的な感性を生かした新たな表現を期待するとともに、メディア芸術を通したクリエーター相互のネットワークの構築を目指します。
 過去の受賞者には,アニメ漫才師のアキラボーイさん,ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンで商品化されたゲーム「無限回廊」の原作者である藤木淳さん,世界最大のCGコンペティションであるSIGGRAPHのエマージングテクノロジーに選抜された「Splash Display」制作者の的場やすしさん等や,テレビタイトル等でお馴染みの方々など数々のクリエーターを発掘しました。
 昨年度よりアジアデジタルアート大賞展 FUKUOKA として,福岡とアジアや世界のクリエーターの連携をより一層深いものとすることを願い,実施拠点の名称「福岡」を掲げました。今年もまた多くのクリエーターの方々の参加をお待ちしております。
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ということで、九州大学も実行委員に入っている「アジアデジタルアート大賞展FUKUOKA」が今年も開催され、作品募集が開始されています。詳細はこちら

九州大学の特徴の一つが、法人化の際に九州芸術工科大学と合併したことにより、国立大学で唯一「芸術工学部」を持っていることです。

上述のとおり、当時学生だった藤木さんが開発した「無限回廊」など、この賞から生まれた新たなコンテンツ・ゲームが商品化に至っています。

福岡都市圏では、デジタルコンテンツ・クリエイティブ産業を産学官が連携して支援を行っています。この賞もそういった流れと連携しながら、更に素晴らしいものになることを期待しています。

特に、アジアのクリエイター、デジタルコンテンツ系のアーティストとの他流試合の場として、是非福岡の若手アーティストの応募を期待しています。我こそは!という方、是非チャレンジしてみてください。
  


Posted by 坂本 剛 at 14:07Comments(0)産学連携

2013年08月08日

研究大学強化促進事業(九大編)

昨日の私のFBのタイムライン上でチラホラ流れていましたが、8月6日(火)に文部科学省は、平成25年度「研究大学強化促進事業」の支援対象機関について採択結果を公表しました。→こちら

各種メディアでも取り上げられています。日本経済新聞の記事はこちら

採択は22の大学・研究機関。記事によると、今後世界的な成果が見込める大学や機関を、

・科学研究費補助金(以下、科研費)に採択された数
・科研費の研究者1人あたりの獲得額
・他の研究者に引用される回数が上位10%に入る影響力の高い論文の割合
・成果の民間企業への移転など

10の指標で評価し、今年度から毎年2億~4億円を10年間支給するとのことです。

トップの評価を受けたのが、東京、京都、東北、名古屋の4大学で最高評価の4億円の助成を今後10年間受けることになります。
九州大学は、その次の評価群に入っており3億円の助成を今後10年間受けることになります。

また、今回の評価がずっと継承されるわけではなく、5年後の中間評価によって入れ替えの可能性もあると記事には書かれています。

この支援の中には、研究戦略や知財管理を担う人材や研究を支援する技術者の雇用、若手研究者の登用などを継続的に進める、とあります。我々産学連携分野に身を置くものとしては、このあたりの支援が今回の事業でどのくらい行われるのかに非常に興味があります。

資金的な支援もそうですが、先日iPSの山中先生がいろんなところでコメントされたとおり、この分野で有期雇用・非常勤で働くスタッフの「安定雇用」について、今回の事業採択がその実現に向けたモーメンタムになればいいなと思った次第です。

しかしながら今回の事業の採択の可否は、明らかに、数多くの大学にとって「研究大学」として生き残れるかどうかの分水嶺ではなかったのではないでしょうか。特に地方の大学の生き残り戦略に大きく影響を与えたのではないかと推察します。

そんなことを考えつつ、酷暑の福岡でヘロヘロになりながら今日も頑張ります!  


Posted by 坂本 剛 at 15:17Comments(0)産学連携

2013年08月06日

孔雀はどこにいった?(久留米駅編)

昨日は、久しぶりに西鉄電車に乗って我が故郷久留米に向かいました。


福岡筑後経済人交流会に参加するためです。当日8月5日は筑後川花火大会が開催される日で、懇親会は、岩田屋の屋上でビールを飲みながら花火見物の予定でしたが、天候不良のため7日に延期になり残念でした。

久しぶりの久留米だったので、懇親会終了後、JR久留米駅まで歩いてみました。昨年夏、みんなの希望塾の講演のために訪れた際、六ツ門あたりの寂びれ具合にショックを受けたのですが、今回も、


一番街のこの様子にショックを受けました。時間は20時くらい。確かに一般店舗は閉店の時間ですが、それにしても一番街内外で人通りはあまりなく、これまたショックだったのが、六ツ門にあった、


久留米荘本店が、8月1日から閉店(報道上は休業)していたことです。


久留米のうどんといえば「久留米荘」というくらいのお店でした。子供の頃、親に連れていってもらったこと、今でも覚えています。

筑後地区の経済界の方との交流で久留米に行っただけに、この現状をみてなんだか複雑な心境になりました。地元久留米の経済界の皆さんはどう考えていらっしゃるのかな?

そんなことを考えつつ、


新装された久留米駅に到着しました。その時ふと思ったのが「あの孔雀はどこにいったのだろう?」ということです。

建て替えられる前の久留米駅には、なぜだか「孔雀」がいたのです。私は、高校時代国鉄(JR)で通学していたので、ほぼ毎日孔雀を目にしてました。

孔雀についてはこちら(ネットで調べた画像をそのまま貼付けると、著作権の絡みもありますので)

ネットで調べてみると、やはり私以外に気になっている方がいらっしゃるようです。

FBでこのことをつぶやいていると、市役所勤務の後輩が「確か鳥類センターに引き取られたと思います」とのことでした。

そもそも、よく考えてみると「なぜ、久留米駅に孔雀がいたのかな?」という疑問がわきました。それは、元々久留米に鳥類センターがあったからなんですよね。。。孔雀は鳥類センターから貸し出されていたようです。であれば「実家」に戻ったということですね(笑)。

たわいもない話になりましたが、久留米中心部の衰退と、子供の頃憧れた町の景色のギャップが、孔雀のことを思い出させてくれたのではないかと思った次第です。うーん、何とかできないものかな。。。  


Posted by 坂本 剛 at 12:54Comments(1)今日の出来事

2013年08月03日

宮崎の新たな地域資産(チョウザメ編)

今週は、8月1日〜2日と宮崎に出張しました。気温は38度。この時期全国的にも一番暑い町が宮崎市だったみたいです。

九州地域戦略会議の夏季セミナーがあり、九州の県知事、経済界のキーマン、大学の学長など産学官のリーダーが集まる中、若輩者ながら参加させて頂きました。

内容はまた別途アップしますが、今回はこの会議で見つけた宮崎の「新しい地域資産」の話です。

宮崎といえば、

宮崎牛 マンゴー 日向夏 地鶏など、色々ありますが、現在取り組んでいる秘密兵器?が、


チョウザメです。具体的には白チョウザメという品種の養殖に取り組んでいるのです。

なぜ?という疑問が浮かぶ方もいると思いますが、資料によると、昭和58年に国の研究機関からチョウザメを譲り受け、水産試験場に持ち込まれたことが、宮崎でのチョウザメの研究の始まりとのことです。

以来、研究を重ね、チョウザメの稚魚を作る技術、魚肉に含まれる機能性成分の分析、キャビアの製造技術など生産から利用に至るまでの技術を確立し、いよいよ商業化の段階にきたようです。

詳細はこちら


そして、2013年冬にはついに「宮崎産フレッシュキャビア」の販売がスタートします。

今回のセミナーの交流会では、残念ながらキャビアはでませんでしたが、


魚肉が振る舞われました。これは、チョウザメのカルパッチョ。


こちらはポアレです。

味は、白身の魚肉に近いですね。カルパッチョは、鯛のそれに近い感じがしました。チョウザメといえば、キャビアの印象が強いのですが、ヨーロッパでは「ロイヤルフィッシュ」と呼ばれ、高級食材として珍重されているようですね。

私自身、同じ九州にいながら、宮崎のチョウザメ開発のプロジェクトのことは知りませんでした。食材天国宮崎恐るべしです。

今年の冬に販売がスタートする「キャビア」に期待大です。  


Posted by 坂本 剛 at 15:45Comments(0)産学連携