福岡版エコシステムのいい形(バスをさがす 福岡編)

坂本 剛

2014年01月08日 12:06

オフィスが百道浜に移転して4ヶ月が経ちました。

移転後すぐにブログにアップしたのが「バスを探す 福岡」というアプリのことでした。

福岡で今までほとんどバス(西鉄バス)に乗らなかった私が、移転を機にバス通勤を始めたのですが、博多駅から百道浜へのバスのダイヤ、路線がよくわからず悩んでいるところで見つけたのがこのアプリでした。非常にUIがよく使い易いので百道浜以外の場所への移動でも重宝しています。

既にいろんな方がブログやFBでアップしていますが、この「バスをさがす 福岡」が、西鉄(西日本鉄道)公式のアプリ「にしてつバスナビ」に生まれ変わりました。

つまり、西鉄さんが、このアプリを自社の正式アプリとして採用したということです。これだけだと「バスをさがす 福岡」を開発したクリエーターの方やからくりものさん、すごい!、いいですねーで終わってしまうのですが、スタートアップシティFUKUOKAの実現を目指す福岡地域にとって、その実現に向け新たな可能性を示してくれた非常に重要なイベントだと思っています。福岡版ベンチャーエコシステムの可能性です。

「エコシステム」とは、本来『自然界の「生態系」』のことを指しますが、起業やベンチャー、ベンチャー支援を語る上で「自然界の生態系のようなシステムの中で起業家やベンチャー企業が生まれ、成長することによりイノベーションが絶え間なく創出される構造」のことをエコシステム、ベンチャーエコシステムと呼びます。シリコンバレーでは、投資家、起業家、経営等の専門家、人材・技術を輩出する大学、ベンチャーの受け皿となる大企業からなるエコシステムが存在することで絶え間なくイノベーションを創出していると言われています。

そのエコシステムの要素として

(1)起業家同士のネットワーク
(2)起業家を支援する専門家(弁護士、弁理士、コンサルタント)や行政機関の支援
(3)多様な資金調達手段(エンジェル、VC、金融機関等)
(4)ベンチャーの出口の多様性(IPO、M&Aなど)
(5)ベンチャーの商品・サービスを採用する受け皿(事業会社等)

などが重要であると言われています。

なので、単にスタートアップ、創業し易い、環境を作ったとしても、そこにエコシステムが無ければ、起業家は増えませんし、ベンチャーも成長もせずイノベーションは生まれないということです。特に(3)(4)(5)は、日本、とりわけ地方では、そのような役割を果たすステークホルダーはほとんど存在しません。

結果として、福岡で創業したベンチャーが、資金調達や出口を求め東京に拠点を移してしまうことが多いのではないかと思います。

今回西鉄さんが「バスをさがす 福岡」を公式アプリとして採用したことは、企業のM&Aではありませんが、(5)の商品・サービスを地元の事業会社が採用したという点で重要なことだと認識しています。地方自治体の採用はありますが、インフラ系の地場企業・事業会社が多い福岡ではあまり聞いたことがありません。

このような案件が増えてくると、いずれ福岡地域の事業会社がスタートアップ、ベンチャー企業を買収・M&Aするような案件が生まれ、エコシステムが更に充実し、それを見た多くの起業家が素晴らしいアイデア・技術を持ってエコシステムに飛び込むようないい「連鎖」が生まれるのではないでしょうか?

とにもかくにも、今後は「バスをさがす 福岡」改め「にしてつバスナビ」を使っていきます!

関連記事