九州経済フォーラムシンポジウムIN沖縄(本番編)

坂本 剛

2011年05月06日 07:43

4月22日~23日で沖縄で開催された九州経済フォーラム創立25周年記念シンポジウムIN沖縄。
テーマは「どうする日本、どこへ行く日本。」

二日目は、朝8時から記念シンポジウムがスタートしました。


まずは、九州経済フォーラムの矢頭副会長(やずや会長)がご挨拶。400億年企業にやずやを育て上げた経営者にもかかわらず、このシンポジウムを通して何か一つでも学び、それを自社に活かしていきたいというその真摯な態度に感動しました。また、サラリーマン経営者、役員の方のそれとは違い、説得力のある、かつ力強い挨拶でした。


最初の基調講演は、ノンフィクション作家の関岡秀之氏。テーマは「”平成の開国”と国家の存亡」

詳細は割愛しますが、データに基づいたTPP等についての自説を展開されました。非常にわかりやすかったですね。その中で「なるほどー」と思ったのが、日本の穀物自給率の話でした。

日本は、食物自給率が40%前後と、他の主要国に比べ低いと言われています。更に「穀物」自給率となると28%(2005年のデータ)になるそうです。

しかし、皆さん良く考えてください。日本の主食である穀物「米」はどうみても自給率は100%(または越えている)ではないでしょうか。。。確かにパンの原料となる小麦や豆腐の原料となる大豆はほとんど輸入に頼っているので、穀物自給率は低くなるとは思いますが、全体量からいっても28%に落ち込むほどではないと思います。それでは何が影響しているのか、、、

それは、家畜の飼料となる「とうもろこし」なのです。。。人間が直接食べるとうもろこしの量はわずかで、そのほとんどが牛や豚などの家畜の飼料なのです。その自給率はほぼ0%。これが穀物自給率を大幅に下げている原因なんだそうです。なるほど、数字のマジックがこんなところにあったのですね。

ただ、昭和初期に比べ、現代の日本人は肉食が増えていますので、その飼料は必要であり、この飼料を国内で賄えるようにする、パンより米食にする、または、日本人が旧来行ってきた穀物、野菜を中心とした食文化に戻ればおのずとそれだけで穀物自給率は増えるということになります。どちらがいいんでしょうかね(笑)。

この議論については、いろんな考え方があるのでここで良し悪しを言うつもりはありませんが、とにもかくにも非常に分かりやすい説明でした。



次の基調講演は京都大学教授の中西輝政氏。内容は割愛させていただきますが、こちらも非常に的確に現在の政治の問題点を指摘されていらっしゃいました。


その後、パネルディスカッションが開催され、主に東日本震災後の日本がいかにあるべきかについて議論が行われました。


最後は、九州経済フォーラム事務総長である小早川明徳氏で25周年記念フォーラムは無事終了しました。

今まで、時々地域の経済界のイベントには顔を出したことはありましたが、ここまで大きいイベントに参加したのは、今回が初めてでした。

そこで感じたのが、地域の経済界の主要メンバーおよび将来の幹部候補の皆さんは、こういった活動を通じて人的ネットワークを作り上げていくんだなということです。

そこにまずは繋がっていないと、地域でのいろんな取り組みを行うにあたり、事業を進めていくのはかなり難しいのではないかと感じた次第です。

今回のイベントをキッカケに、地域経済界との交流も積極的に行っていきたいと思います。

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