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九州大学と唐津市は、「国立大学法人九州大学と唐津市との協力協定書」(平成 19 年 2 月 28 日締結)に基づき、産業の高度化に関する活動の一環として、両者が相互に連携・協力し、新しい水産資源の創出及び水産業の高度化など、唐津市における水産業の振興を図ることを目的に、唐津市が行う「唐津水産業活性化支援事業」に関する実施協定を締結しています。
これに基づき、両者は唐津市水産業の新しい目玉となる新水産資源創出プロジェクトを推進しており、「マサバの完全養殖」プロジェクトは、その取組の一環です。現在、卵から育てた種苗を養殖し、商品化について一定の目途が経ったことから、試験出荷を行う見通しとなりました。また、呼子鎮西旅館組合の協力により、その成果物の販売が行われます。
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ということで、唐津と九大で研究・開発を行っていた「
完全養殖の安心安全なマサバ」の試験販売が始まったようです。プレス記事は
こちら
このプロジェクトは、産学連携機構九州の社長時代から注目していました。当時、スタッフを唐津に常駐させて運営していた「からつ大学交流連携センター」もサポートをしており、何度か試食会や研究進捗報告会にも参加させていただいたことがあります。
このプロジェクトのキッカケの一つが「呼子のイカ」が段々獲れなくなってきたということです。
元々、呼子は鯨漁で栄えた町でした。その後捕鯨が厳しい状況になっていくなか、鯨のエサであったイカを呼子の名物にすることにより「呼子のイカの活き造り」はブランドかされ全国的にも「クリスタルイカ」と呼ばれ、多くの観光客が呼子に足を運ぶようになりました。
そのイカも、最近段々獲れなくなってきたことで、イカに続く水産資源を育成しようということで始まったのが「唐津水産業活性化支援事業」でした。
養殖より天然やろ?とおっしゃる方も多いと思いますが、今回のマサバは、
・いわゆる「トロサバ」で脂がしっかりのっていて、エサの管理によって一年中脂ののった味覚を楽しむことができる。
・稚魚の時に、配合したエサで育てるため、食中毒を起こす寄生虫アニサキスの幼虫がいるプランクトンを食べて体内に取り込む機会もほとんどない。
といった特徴があります。
サバといえば、全国的には「シメサバ」が一般的かもしれませんが、北部九州ではサバは当たり前のように刺身で食べます。
それを、一年中安心安全な「トロサバ」として堪能できるのが、今回の「完全養殖マサバ」なのです。
研究内容については
こちらに資料があります(スクロールすると、プレス資料の後にパワポがあります)。
ちなみに、コレが試食会のときの写真。Aの方が今回の完全養殖マサバです。身の色を見ていただけばいかに「トロサバ(脂がのっているので白っぽい)」なのかがわかっていただけると思います。
呼子、鎮西地区の宿泊施設で、生き作りなどの料理を提供するキャンペーンを来年6月末まで行っているそうですので、ご興味がある方は是非唐津へ!