大学の産学連携組織で大学発ベンチャーの支援を行いながら2008年3月に無事QBS(九大ビジネススクール)を修了しました。そして、2010年4月からは、産学連携的な会社の代表取締役社長に就任。2014年6月に任期満了により退任し顧問として活動しています。大学まわりの情報や産学連携に関する情報を独自の視点で発信していきたいと考えています。

2013年07月31日

晴れの宴(紫綬褒章受章記念祝賀会編)

先週末7月27日(土)に、以前ブログでのアップした、九州大学システム情報科学研究院都甲教授(以下、都甲先生)が今年の春の紫綬褒章を受章されたことを記念して祝賀会が開催されました。場所は、

晴れの宴(紫綬褒章受章記念祝賀会編)
西鉄グランドホテルです。私は、若輩者ながら本会の発起人を務めました。

都甲先生といえば「味覚センサー」。生体を模倣した人工の膜を用いることで味の計測を可能として、世界で初めて味を測る装置(味覚センサ)を開発することに成功されました。と、ここまではよくある話なのですが、この研究成果の事業化を、大学発ベンチャーを創業することにより実現し、数々の産学官一体となった開発プロジェクトを成功に導くなど、産学官連携分野に多大な貢献をされたことが今回の受章の理由のようです。詳細はこちら

晴れの宴(紫綬褒章受章記念祝賀会編)
ちなみに、これが「味覚センサー」。大学発ベンチャー企業「インテリジェント・センサー・テクノロジー社」が開発・販売を行っています。

都甲先生との関係で言えば、産学連携機構九州として、国の助成事業(マッチングファンド事業)で支援させていただいたこともありますが、個人的にも従前から親しくさせていただいており、今回の紫綬褒章受章は九大OBとしても非常に嬉しく、また素晴らしい快挙だと思います。

晴れの宴(紫綬褒章受章記念祝賀会編)
当日は、九大関係者、連携先企業・団体から100名を越える方がご出席されました。いろんな方がお祝いのスピーチをされたのですが、一番印象に残ったのは、都甲先生のスピーチでした。

祝賀会冒頭に約15分という長めのスピーチをされたのですが、その中で「産学連携の成功の秘訣」についてのエピソードを披露されました。

あるメディアから取材を受けられた際に、記者から「産学連携の成功の秘訣は?」と尋ねられたそうです。

その答えを要約すると、

・世間一般的には、1+1=2である。
・しかし、産学連携では1+1=0.5にしかならない。
・なぜなら異なるカルチャー・方向性を持った者同士が一緒に力を出し合うのだから、普通に1を出し合ってもプラスよりマイナス面のほうが多いので、結果として0.5にしかならない。
・しかし、お互いに普段の倍(2)の力を出し合ったときに、2+2=4ではなく10になるのが産学連携の醍醐味だ!

とのことでした。今回は、まさに2+2=4ではなく10になった成果だということです。

産学連携というと、なんとなく格好がよく、打ち出の小槌のごとく「連携すればイノベーションが生まれる」と口にする方がいらっしゃいます。企業同士・社内同士の連携以上に本気で連携し、普段以上の情熱・パワーを持ってお互い付き合わないとうまくいかないし、逆にそれがうまく行った場合、爆発的な成果が生まれる可能性があるということだと私は理解しました。

晴れの宴(紫綬褒章受章記念祝賀会編)
とにもかくにも、都甲先生はじめ、関係者のみなさまおめでとうございました。九大の産学連携活動から都甲先生に続く成果が今後数多く創出されることを期待しつつ、私自身もその活動に貢献できるよう普段の倍以上のパワー・情熱を持って取り組みたいと思います。



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Posted by 坂本 剛 at 14:14│Comments(0)産学連携
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